気ままに日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 血圧計と聴診器の関係

<<   作成日時 : 2007/03/24 21:15   >>

トラックバック 0 / コメント 9

今や血圧計といえば、家庭用を始め医療の現場でも自動式血圧計が主ですね。

自動血圧計は、マンシェット(腕に巻き付ける帯状のヤツ)を上腕や手首に巻き付けボタン一押しで自動的に血圧を測定してくれる便利なものです。

その血圧計ですが、一昔前まで病院では手動式を使っていました。(現在でも手動式を使っている病院も多いですが・・・)
マンシェットを腕に巻き付けて聴診器を当てて、手でシュパシュパとやる水銀式のヤツです。


 突然ですが、あの手動式の血圧計ですが、なんか疑問に感じたことありません
自分はナースマンやるまでとても疑問に感じることがありました。

それは、血圧測るときに聴診器を使うことです。

聴診器・・・医師や看護師が胸やお腹の音を聴くときに使う道具ですね。

これがどうして、血圧測るときに要るのかとても不思議でした。
・・・というのも、シロート目で考えて胸やお腹は内臓が直接動いているので音がするのは分かりますが、腕はねぇ???
どうして、腕から音が聞こえるの ってとても不思議に思っていました。 


その疑問が解けたのは看護学校で「バイタルサイン測定」という講義を受けてからでした。
バイタルサイン…簡単に言うと、生命兆候を数値化したもので主にKT(体温)、P(脈拍)、BP(血圧)の事です。

この講義が始まった最初の時間に早速、永年疑問だった事を講師の先生に質問してみました。
Q.なぜ、血圧測定のとき聴診器を使うのですか?・・・・

すると・・・講師の先生から以下のような回答が返ってきました。
A.それは、動脈(上腕動脈)の血管音を聴きながら測定するからです

(・_・)エッ......?
この答え、なんか・・・納得いくような・・・いかないような・・・・??

なんか・・・イマイチ漠然としていて確信ついていませんよね???

ま、質問の仕方も悪いと言えば悪いですけど・・・・

どーしても解きたいこの疑問、この釈然としない答えをもらってから余計、気になってしまい・・・昼休みと放課後に学校の図書館で調べまくりました。

そこで、いくつもの文献を読みあさり・・・・
         やっと納得いく答えにたどり着くことが出来ました。


まず、余談になりますが血圧測定のやり方には大きく分けて2つのやり方があります。
1つは直接法と呼ばれるやり方で、動脈にセンサーの着いた管を留置して血圧を測る方法です。直接動脈の血圧を測るのでこちらの方法が一番正確なのですが管を動脈に入れなくてはならないので測定される方は痛みや出血を伴いますし、医師がいないと測定することが出来ません。
2つ目は間接法と呼ばれるやり方で、こちらは先述した最も一般的でお馴染みの測定法です。
この間接法と呼ばれるやり方は苦痛をほとんど伴わずしかも手軽に血圧測定でき、ほぼ直接法と同じ値を得ることが出来るという画期的な方法だそうです。



では、間接法の原理を簡単に説明しながら”なぜ聴診器が必要なのか”の核心に迫りたいと思います。

@まず、上腕にマンシェットを巻きマンシェットの中にあるカフ(エアーマットのようなもの)に
空気を入れカフを膨らませることにより動脈を一時的に遮断します。
つまり、心臓が血液を押し出す圧力よりカフの圧力が高いということです。

A徐々にカフの空気を抜きカフの圧力を弱めます。
すると、心臓が血液を押し出す力がカフの圧力より強くなった時点で心臓の拍動に合わせて血液が流れ始めます。
この時、カフの圧力がある程度加わっているので動脈血は心臓の拍動に合わせてカフを押し返すよう断続的に流れます。ちょうど、カフで加圧された血管壁はピーンと張った太鼓革に、その中を流れる血液は太鼓鉢のようになるため心臓の拍動に合わせて(太鼓を打つように)音がするというわけです。
因みに、この太鼓のような音(=血管音)を専門用語でコロトコフ音といいます。

Bさらにカフの空気を抜いていくと、いずれカフの圧力は殆どかからなくなり心臓が血液を押し出す圧力が断然強くなります。
こうなると、それまでピーンと張った太鼓革(血管壁)はゆるゆるになってしまうため血管音がしなくなります。

以上のように、聴診器が必要だったのはこの太鼓の音を聴くためだったのです。

因みに、手動式で血圧を測定するときには、聴診器を腕に当てて、マンシェットから繋がっている圧力計(水銀又はバネ式)を見ながらカフの圧力を徐々に抜き、血管音が聞こえ始めた時の値(最高血圧)聞こえなくなった時の値(最低血圧)を読み血圧を測るのです。
このように血管音で測定する方式をリバロッチ・コロトコフ法といい主に手動式で測定するときに用いられる方法です。



さらに余談ですが・・・・

血圧を測ったことがある人なら経験があることだと思いますが、腕にマンシェットを巻き付けて加圧が終わり、カフの圧力が徐々に抜けてゆく途中に「ドクドク」と振動を感じたことがあるはずです。

なんと、この振動を感じているとき血管音が聞こえるときなのです。
ということは、自分で手動式を使って測るときは聴診器を使わなくてもこの振動を感じることにより大凡の血圧を知ることが出来ます。
大凡というのは、この振動を感じるのは血管音が聞こえ始めるより若干遅いタイミングで感じ、血管音が聞こえなくなるより若干早いタイミングで振動を感じなくなるからです。

さらに、この振動ですが手動式で測っていると「ピク、ピク」と水銀や針が振動するので目で見ていても確認することが出来ます。

実は、現在使われている自動血圧計の多くはこの振動を利用して測定しているのです。この測定法をオシロメトリック法といいます。(自動血圧計が手元にある方はその説明書を見ると、”測定方式:オシロメトリック法”と書いてあります)
一昔前まで、医療関係者の間では「自動式は不正確だ」と言われていたのはこのためだったからでしょう。
しかし、現在の自動血圧計では高性能なセンサーを搭載し手動式並の正確さで測れるようです。


 最後に血圧のことを色々調べてみると実に面白いことが分かりました。
これからも、気が向いたとき血圧のことに関しての記事をアップしたいと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、気ままさん。
ウチにも家庭用の血圧計があります。早速見てみましたら、オシロメトリック法とコロトコフ法の両方の原理を合わせたOKセンサーである、と書いてありました。普段、何気なく使っている血圧計ですが、とても深い技術が秘められているんですね。(クキ父より)
今、理科の授業で人体について学習しています。先日、ちょうど、血管、血液についてもやりました。大動脈、大静脈、肺動脈、肺静脈から静脈血、動脈血なんていう勉強もしました。気ままさんの記事、全部は分かりませんが、とてもよい勉強になります。ありがとうございます。(クキより)
クキ
2007/03/25 00:23
こんばんは、気ままさん
血圧を自慢し合っているかのように見える方々にもう一言、教えてあげたら驚かれることがあります。
血圧表示が水銀柱だということです。
水銀の比重は13.6
水柱の13.6分の1ということ。
もっといえば血液の比重に比べれば 11分の1くらいになりますか?
 血圧が150mmHgの場合は水柱にすると2040mmすなわち2m以上水の柱を押し上げるだけの力が働いていることを。
 200mmHgは2.7m
ひこうちゅうねん
2007/03/25 00:45
クキ父さん
医療の現場で使われている自動血圧計には、正確さを要求されるためオシロメトリック法とコロトコフ法両方(ハイブリット型)を用いた血圧計が主流ですが、家庭用にもハイブリット型があるのですね。
間接法で測る血圧計を発明した人は凄い!と思います。

クキさん
この話、よく分からなかったと思います。
実際にこの記事書いた自分が「何のこっちゃ?」と思うくらいでしたから・・・(-_-;)
一番身近な自分たちのこの体・・・実は、科学で分かっていることはほんのわずかなんです。
現在の人類が持っている科学で説明しようとしても説明できないことが沢山あります。
この記事で触れたコロトコフ音も何故音がするのかはっきりしたメカニズムが分かってません、ただ本文に載せた説が最も有力なのではないかと言われています。
理科で習った人体って難しかったと思いますけど、自分たちの体の事なので知っておくと色々便利ですよ。(^_-)
気まま
2007/03/25 12:04
ひこうちゅうねんサン
実は、水銀と血圧の関係のコメントを頂き有難うございます。
そのことも記事に載せようと思ったのですが、これ以上ややこしくなるので割愛してました。^^;
この事を考えると、自分の握り拳ほどの心臓が、いかに力持ちであるかと言うことを思い知らされますね。
因みに、動脈圧は単位に水銀柱(mmHg)を用いますが、静脈圧は水柱(mmH2O)を使っていますね。
気まま
2007/03/25 12:25
気ままさん、とってもわかりやすく、勉強になりました。何気なく、毎勤務ごとにやっている血圧測定ですが…、その原理や水銀の比重など掘り下げると奥が深いですねぇ。
GAKU
2007/03/30 20:24
GAKUさん
血圧測定は看護業務の中でも頻繁にやっていることですがその原理を掘り下げると実に奥が深く面白い所でもありました。
この他にも、何故マンシェットが心臓と同じ高さなら血圧計本体がどの高さにあってもいいのか疑問になってしまいました。(?_?)
気まま
2007/03/30 22:39
GAKUさんのブログから飛んできました〜。
そしてこの記事を拝見して、すっごく感動しました! 実は僕、月に1〜2回通院してるのですが行くと毎回この手動型の血圧計で血圧を測られるんです。 聴診器で何を聴いてるんだろう?目の前にあるメーターみたいなのは何なんだろう?
それでどうして「上が130、下が80」って言えるの?と、行く度に思っていたんですよ〜!
いや〜なんかスッキリしました、勉強になりました。また、おじゃまさせて頂きますm(__)m
トニー
2007/04/20 03:14
トニーさん、ようこそ!です。
スッキリ出来てよかったです。(^_^)v
自分も、看護師やるまで血圧計と聴診器がどうしても結びつかなくていつも疑問に思っていました。
実際に聴診器でこのコロトコフ音を聴いてみると音色が変化するところも面白いです。
気まま
2007/04/20 22:00
アメリカで解剖生理学を勉強しているものです。ご教授どうもありがとうございました。
sao
2013/07/27 03:16

コメントする help

ニックネーム
本 文
血圧計と聴診器の関係 気ままに日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる