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zoom RSS 救急救命士にさらなる業務拡大!?・・・・

<<   作成日時 : 2009/06/29 13:51   >>

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 周りの人が急病や事故などで大けがをしたとき、救急車で真っ先に駆けつけ必要な応急処置をしながら適切な病院へと搬送してくれる救急救命士

 救急救命士は、心肺停止の患者さんに対し、通信機器などを介し医師の指示の下で、@酸素を確実に肺に送り込むため器具(ラリンゲアルマスク、気管挿管など)を使った気道確保、A静脈路確保のための点滴、B強心剤の投与など救命のための医療行為が認められています。
(但し、@に含まれる気管挿管、B強心剤投与は別途講習を受け認定を受けた者に限る)


 これまで、救急救命士が医療行為を行うには何を置いても心肺停止(仮死状態)というのが絶対条件でした。
 例え、目の前で出血多量の患者さんがいたとしても、心臓や呼吸が今にも止まりそうな患者さんがいたとしてもとりあえず心臓が動き呼吸をしている(生きている)患者さんには、点滴や器具を使った気道確保などの医療行為を行うことができず、一般の救急隊員が行う酸素吸入や体位の管理くらいの応急処置にとどまっていました。


 しかし今春3月、厚生労働省の「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」で心肺停止していない患者さんにも救急救命士の医療行為(具体的な医師の指示の下で)を認めようと動き出しているようです。

 救急救命士への新たな業務(処置)拡大が検討されているのは・・・

 @心肺停止前の静脈路確保と輸液の実施
 これに関して、自分のブログで「救命士に瀕死の状態にある患者さんへの点滴を認めて!!! 」という記事で取り上げたことがありました。
 出血や火傷などで血液や体液がどんどん失われている(ショック状態)患者さんに対しての点滴はとても有効ですし、重篤な患者さんは、時間と共に静脈がしぼんでしまい薬剤を投与するための静脈に針を刺すのがとても難しくなります。
そこで、急病が発症して間もない患者さんのもとへ真っ先に駆けつける救急救命士が現場や救急車内で重篤な患者さんの静脈路を確保できるうちに確保し点滴をすることで病院到着後に迅速な治療が可能になります。
 また、予め静脈を確保し点滴をしているので搬送中に心肺停止状態になっても、薬剤投与の認定を受けている救急救命士がいればすぐに強心剤投与を行うことが出来、その分救命の可能性を上げることが出来ます。


 A意識障害がある患者さんへの血糖測定とブドウ糖溶液投与
 意識障害には重篤な脳疾患(脳梗塞や出血など)が疑われますが、糖尿病の低血糖発作の場合もあります。
また、長時間の低血糖状態は脳に深刻なダメージを与えることになります。
意識障害の患者さんに、救急救命士が簡易血糖測定器を使って血糖を測定し低血糖を認めればブドウ糖を投与すれば脳がダメージを受けるのを回避し、意識障害を回復させることが出来ます。
 意識障害があると、とりあえず救急救命センターなど高度な治療を行う3次救急医療機関への搬送となりますが、救急救命士による血糖測定とブドウ糖投与により意識が回復すれば入院設備がある2次救急医療機関へ搬送することができるので、3次救急医療機関への負担を減らすことが出来ます。


 B重症喘息発作患者に対する吸入β刺激薬の使用
 重症喘息発作の患者さんには予め、発作で狭くなった気管支を開くための薬剤、「β刺激薬」の処方がおこなわれています。
 喘息の患者さんが周りにいらっしゃる方は知っていると思いますが、小さいスプレーみたいなものをスーッと吸っているアレです。
 喘息の発作が激しい場合、患者さん自身ではこの吸入薬の投与が難しくなります。そこで駆けつけた救急救命士が吸入薬を投与することで喘息発作の悪化を防ごうというものです・・・・・・
 しかし、この吸入式のβ刺激薬ですが、意識朦朧となるほど激しい喘息発作にはほとんど効果がないという指摘もあり、今後慎重に議論されるようです。


 以上、3つの処置拡大が検討されているようですが、今年の3月から既に解禁されている処置もあります。

 アナフィラキシーショックを起こしている患者さんへの自己注射(エピペン)を用いてのエピネフィリン投与
 アナフィラキシーショックとは、アレルギー発作の一種で蜂毒や特定の食物などが原因の激しい全身症状で短時間で死に至ることもあるショック症状のことです。
 アナフィラキシーショックを起こす可能性がある患者さんにはあらかじめ簡単に注射ができるエピネフィリン(エピペン)が処方されている場合があります。しかし、アナフィラキシーショックは症状が激しく患者さんが自己注射する余裕さえ無い場合もあります。そんなとき現場に駆けつけた救急救命士が患者さんに変わってエピペンでエピネフィリンを筋注する処置です。
なお、エピペンの使用は救急救命士の他、患者さんの家族や患者さんが通う学校の教師などにも許されています。
エピペンの詳細に関してはこちら



 今回、救急救命士に解禁されようとしている処置は、これまでの心肺停止という条件がなくなり、救急救命士制度は大きな転換期を迎えようとしています。

 救急救命士制度は、高度で幅広い救急医療処置が許されているアメリカの救急隊員『パラメディック(Paramedic:特別救急医療士)』を手本に日本の実情にあわせて発足されましたが、その処置範囲はパラメディックに比べると足下にも及ぶものではありませんでした・・・。

 救急救命士制度が発足されて20年近く経ち、やっと・・・やっと・・・心臓が動いている人への医療行為が許されるようになり、これでやっとアメリカのパラメディックの足下に辿りついたのでは?ではと思います。


 今回の3つの業務拡大について厚生労働省は年末までに一定の見解をまとめる見通しです。
救急救命士の本来の役割は傷病者の病状悪化防止です。
止まりかけた心臓を止めないため、崩壊しかけている救急医療をなんとかするためにも今回検討されている処置について一日も早い実施を願いたいものです。

 
 

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
「やっと動き始めたか」という印象ですねぇ。
瀬戸際の命を目の前にする救命士には、一定の教育を行い救命処置に関してはドクター並みの権限を与えても良いのではないかと個人的に思います。
 実際の現場では、「法を侵し自分の救命士人生を掛けて目の前の命を救うか、法を遵守し、助けられるかもしれない命を見殺しにするか」、こんな馬鹿げた決断をしなくていいようにして欲しいものです。
 ルート確保にしてもこの記事にあるように、心配停止後のしぼんだ血管に点滴の刺入は、難しいと思います。ホントにおかしな話で道理にかなわない本末転倒な事になっています。
 気ままさんに熱く同感。
かけがえのない尊い命のために、一刻も早い救命士の業務範囲の拡大と普及を願います。
GAKU
2009/06/30 01:32
心肺停止状態でないと、点滴が行えなかったり、
医療行為ができなかったんですね〜。
でも、そんな法律のせいで
助かる命も助からない事もあるのでは?と
思ってしまいました。
私も最近、マイケルの死や
心肺蘇生法を勉強して、ちょっと興味が
出てきました。
むら智
2009/06/30 10:44
救急救命士の資格取るの難しいらしいですよね。
救急隊員の報酬て、どれぐらいなんでしょうかね。
業務範囲が万屋みたいになってきて、忙しく大変な仕事でしょうけど、やりがいはありそうな仕事ですよね。
としおちゃん
2009/06/30 12:52
GAKUさん
自分も救急救命士が行う医療行為についてはアメリカのパラメディックみたいに包括的な医師の指示の下、救命士の判断で行えるようになるといいと思います。
重篤な患者さんに対してのルート確保や心肺停止時の器具を使った気道確保などは特にです。
また、この処置拡大により災害現場などでDMATが投入できない、がれきの下に埋まっている患者さんにも早期に点滴を行うことによりショックやクラッシュ症候群を予防または発症を遅らせることもできるようになりますね。
今後の、処置拡大に期待したいと思います。
気まま
2009/06/30 17:45
むら智さん
この記事は先日、普通救命講習を受講されたむら智サンにとってタイムリーな話題かもしれませんね。
重篤な人に対して点滴を行い静脈路を確保するのは色々な薬剤を投与するためにとても重要です。
もし静脈路が確保できなければ本格的な治療が進まないこともありますし、患者さんが重症であればあるほど、時間が経てば経つほど点滴の針が入りにくい場合もよくあります。
今回の業務拡大を期に救命士の権限も拡大し、医師の指示を得ずに自らの判断で出来るようになればと思います。
気まま
2009/06/30 17:53
としおちゃんサン
救急隊員たちのお給料、他の消防職員に出動手当がプラスαされるくらいだから、平均的なサラリーマンとあまり変わらないかもしれませんね。(自分の給料よりいいことは確かです・・・)
現在救急車の要請がうなぎ上りでそのほとんどが軽症、べつに救急車を呼ばなくてもよかったケースばかりだそうですし、現場ではけんかの仲裁をしたりいろいろと雑用もあるみたいでとても消防職の中でもとても大変なところのようです。でも、直に患者さんの命を救うこともできますし、やりがいのあるところでもあると思います。
気まま
2009/06/30 17:58
『救急救命士にさらなる業務拡大』
このような事を検討するのは良い事でしょうが、その前に、くだらない(ごめん!)事で、救急車を呼ぶ人の事をどうかして欲しいと思います。
私は何度か自力(タクシーや自宅の車にて)急患センターへ行って思いましたが、こちらは苦しくても辛くてもきちんと順番を待っているのに、救急車で運ばれた人は、優先、重症ならまだしも大したことなくてもそうです。その事の方が問題です。
一国民として、理不尽さを感じます。
気ままさんにこのような事を言っても仕方がないですが、記事とは違うコメでゴメン!とは思いますが、安易に救急車で搬送することに、矛盾を感じるビオラです。
ビオラ
2009/07/02 17:38
ビオラさん
実にそうなんです!
ちょっと、気分が悪いから、子供がちょっと怪我したから、受診する病院が分からないから、とりあえず救急車という安易な理由で救急車を要請する人が年々増えてきて社会問題にもなっています。
横浜などでは、コールトリアージといって119番するとオペレーターの質問に答えることで緊急性がないと判断されると適切な病院の紹介や民間の救急タクシーサービスを紹介する自治体もあるようです。
安易に救急車を要請する人がいる一方で、重症だけど受け入れてくれる病院がない、一刻も早く初期治療(点滴、気道確保など)を行わないと救えるはずの命が救えないなどの問題もあります。
今回の業務拡大はこうした救えるはずの命を救うための処置なのです。厚労省ををはじめ関係機関には救急車の安易な利用対策と同時に救急車内での業務拡大についても前向きに取り組んでもらいたいと思います。
気まま
2009/07/02 18:13
こんばんは。
ご無沙汰してすみません。
気ままさん。
いつも勉強になります。
若い頃は救急救命士になりたかった事もありました。
実際は女性の救命士なんて救急車に乗せてもらえませんが…
病院でも意味がありませんし…挿管できる訳でもなく。
Bの重篤な喘息発作でのβ刺激薬の投与は認定して欲しいですね。
うちの子も救外で医者を待っている数分間に悪化してしまい、呼吸困難が酷くなって暴れる程になってしまいました。何とか入院は免れましたが…。

うめこ
2009/07/03 21:28
救急救命士の方が一番現場の状況を知りつくしていますね。人の命をあずかる職業を志す方々がスムーズに仕事ができる環境であるよう願っています。
dragon pearl
2009/07/04 12:31
仮死状態になるのを待たなければ医療行為ができないなんて、おかしな話ですね。
でもそれが解禁になれば、救急救命士の責任も重くなるとは思うのですが・・・・・・?
blue tnago
2009/07/04 13:31
うめこサン
うめこサンも救命士になりたかったことがあるんですか・・・・実は自分もそうだったんです。
女性救命士、全国的に採用が増えているそうですよ。
自分も街にも女性救命士が活躍していますし、やはり患者さんが女性の場合、安心感がありますよね。今後女性救命士の活躍にも期待したいと思います。
Bβ刺激薬、重積発作の場合、吸入してもほとんど意味がないというDrも一部いるようですが、吸入しないよりはましみたいですね。こちらの方も是非解禁してほしい処置ですね。
気まま
2009/07/04 21:01
dragon pearlさん
そうですね、現場に長けているのはやはり現場を知り尽くした救急救命士であり、現場へ真っ先に駆けつける救命士が初期治療をはじめることで病院到着後の治療もスムーズに行くことがありますし、救えるはずの命を確実に救うことになります。
現在の救命士の現状にあわせ徐々に処置範囲も拡大されてくるといいと思います。(いずれはParamedicみたいにある程度救命士の判断で医療行為がおこなえるようになるといいのですが・・・)
気まま
2009/07/04 21:08
blue tangoさん
現在の救急救命士の医療行為は「止まった心臓を動き出させようとする処置」で救命のため最低限度の医療行為をするというのが救命士の特定行為でした。
しかし、これからは「心臓を止めないための処置」になりこれまで以上に責任が重くなると思います。
しかし、目の前で救えるはずの命を法律の壁があるがために医療処置が行えず悔しい思いをしてきた救命士も多いはず、今回の業務拡大は救命士達の声でもあります。責任の重さと共に救える命が増えるので彼らのやりがいも増すのでは?と思います。
気まま
2009/07/04 21:19
救える命がそこにあるのに、それができなかったという縛りがようやくなくなろうとしているのですね。これは、どれだけ最先端の医療設備を備えたり、どれだけ多くの救命士・医師がいるということよりも、大きいものであるように思います。
おおみや
2009/07/06 21:13
おおみやサン
救急救命士制度が発足して以来、救急車の設備は病院の集中治療室並みに整備されハード的な面では世界一を誇るものがつくられました。しかし、ソフト面では決して世界でも優れているものとは言えず・・・
アジア各国の救急救命士に比べても日本の救命士は医療行為がかなり制限されていました。
これから心臓が動いている傷病者に対してようやく医療行為が解禁され救急先進国アメリカのパラメディックに及ばないもののアジア各国の救急救命士と肩を並べることができるようになったと思います。
気まま
2009/07/06 21:35

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