夜勤・・・・

 世間で言われる老人ホームと言われる施設では夜勤があります。


 夜勤・・・実に大変です。

 頻回にナースコール対応しないといけないし、認知症があり、徘徊されている方に対して所在の確認や転倒にも十分気をつけないといけません。
 
 利用者50人に対しスタッフ2人でフルに対応しています。

 文章にしてみると、数行になってしまいますが、コレが本当に大変なんです。

 少しの油断が事故に繋がる恐れがあるのですから。



 そんな、大変な夜勤ですが・・・・

 珍しいというか、変わったというか、背筋がぞーっとする体験もしたりします。



 あれは、約10年前のことです。

 まだ、看護師の免許を取る前で、介護職員として就職し1年が経ち仕事にもすっかり慣れた頃、ある夜勤での出来事です。

 その日の夜勤は、この道30年の看護師の資格を持つKさんとの夜勤でした。

 深夜帯になりKさんが仮眠になり、スタッフは自分独りだけとなりました。

 そして、巡回の時間となり利用者が休まれている部屋を回る時間になり、懐中電灯を片手に2階療養室から3階へと順に療養室を回ることにしました。

 2階の巡回を無事に終え3階の療養室を回り終えようとしたときです・・・・・・。


 ぺたっ・・・・・、  ぺたっ・・・つ----  

 さっき巡回してきた廊下の奥から、かすかに音がしました・・・・


 すると、今度は、聞こえるか聞こえないくらいの小さくかすれた声で

 「・・・・ ん~ ぐ・・・・ っ・・・・」、   「ぐぁ ん ごぐ ざー ん・・・・・」

 と、思わずフッと振り返ると・・・・・

 懐中電灯に照らされた明かりの奥には・・・・・

 白く細いものがヒラヒラしていました。 

 「何!?」と思って2,3歩足を進めよく見ようとしたときです。

 
 


 すると・・・・ 次の瞬間!! 

 青白い手を必死に伸ばし床をはいずり出てくる髪を振り乱した白髪の老婆が
ニヤリとしながらこちらをみているではありませんか!!!


 ん-!!!  もう、これ、どっかのホラー映画で見たシーンと同じような場面!!




 一心不乱にその場を立ち去り、2階のKさんが仮眠をしている詰め所に逃げ帰りました。

 完全にテンパってしまいKさんをたたき起こすと。

 「Kさん出ました!」、「幽霊・・・・見てしまいました・・・・這っていました・・・・」とパニックになっている自分を横目に・・・・

 冷静なKさんは、「ほんとう???」と疑うような目で自分を見ながら・・・・「行ってみよう」と3階へ懐中電灯を手に恐れることなく一人で行ってしまいました。




 しばらくして、「気まま君、来てよ~」とKさんから呼ばれたため、恐る恐る3階へと震えだしそうな足を押さえるようにして3階へと行きました。


 3階の階段を上りきるとそこには、仁王立ちしているKさんがニコニコしながら立っていました。

 「幽霊?」、「何処、おらんやないね~」・・・・・・ とKさん。

 フッと、幽霊がいたと思った廊下の奥をよく見てみるとそこには、幽霊ではなく利用者のSさんの姿がありました。


 そうです、自分は、Sさんの姿をみて幽霊だと勘違いしてしまったのです。

 脳梗塞後遺症と認知症があるSさん、トイレに行きたくて這いながら出てこられただけだったのです。


 ・・・・でも、あの青白くて這っている姿をみると誰でも幽霊と思いますよね・・・・・



 あれから10年以上が経とうとしています。

 夜勤では、怪奇体験に似たような経験を何度となくしてきました。そのためでしょうか、現在では、多少の事では動じなくなってきました。




 認知症がある利用者の中には、夜間になると、考えることの出来ないような行動を起こされる方がいらっしゃいます。
 一般的に見るとその行動は奇怪に見え理解しがたいように思えますが、その方達にとっては何らかの訴えであったり、表現であったりすることがあります。そのため、何伝えようとしているのか理解した上で対応する必要があるのです。
 そのため自分の施設では、経験年数が浅い職員とベテランの職員がペアになって夜勤をするように勤務が組んであります。

 


 

この記事へのコメント

2006年07月22日 15:30
看護の仕事は本当に大変な仕事なのですね。でも夜勤はかなり怖そうですね。
2006年07月22日 15:40
病院などにあまり今まで縁のない私は
昼間に行くだけでも、
なんだか普通と違うものを感じてしまいます。
慣れってすごいですね・・・
2006年07月22日 17:43
気ままさん、こんばんは!
良くあります・・・・・
私には見える時があるようなんです・・・・
誰もいないはずの霊安室から・・・・人の声がしてきます。
お年寄りの中には、そこにおるよ!と言う人もいます。
2006年07月23日 00:04
夜の病院、、、考えるだけでコワイです(^^;;
昼の病院でもアテられて倒れてしまった事のある僕には、看護のお仕事はムリですね。
2006年07月23日 06:36
怖いモノ苦手なので…あぅ。
思わず硬直してしまいましタ…ぐふぅ(汗)。

夜勤、大変ですよネ。
ひいんトコも、旦那サマが夜勤のある仕事なので。
それにしても、利用者50人に対しスタッフ2人って…!!
ベテランさんとそうでない人とをペアにって、勤務の組み方は文句無しですけどネ~☆
2006年07月25日 20:14
ひろぴょんサン
夜勤は慣れるまで色んな意味で恐い思いをします。
最初は夜勤というとビクビクしながら仕事していたのですがこの仕事をして10年以上経つ今では少々のことではビクつかなくなりました。
慣れというものは本当に凄いです。
2006年07月25日 20:19
ゆうだいサン
明るい近代化した病院が増えているとはいえ、やはり独特な雰囲気が病院にはありますね。
病院で働き出した頃その独特な雰囲気がイヤになることもありましたが、慣れればへっちゃらなものです。
2006年07月25日 20:32
月桂樹さん
自分には霊感というものが全くないせいかその気配を一度も感じたことがありません。
が・・・ある夜勤の日丑三つ時を過ぎようとする頃、空きベットのコールが鳴ったことがありました。そこは数日前に急変された方がいらっしゃったベットでコールが鳴った時間帯に入院先の病院で臨終を迎えられたそうです。
これが自分が体験した唯一の怪奇現象です。
他にも、同僚がブライドの隙間から女性の顔を目撃したり、巡回時に洗面台の鏡に影が映り込んだりしたなど様々な怪奇現象があることを聞くことがあります。
やはり、このような施設は集まりやすい性質を持っているのでしょうか。
2006年07月25日 20:37
どーるますたーサン
病院でアテられたことあるのですか!?
恐すぎますね。・・・・もし、そのような体験を自分がしていたら今の職業なんて就いていません。
そのような気配に対して何も感じず、見えることもないからこの職に就くことが出来るのではないかと思います。
(見えていても気づかないだけかなぁ?)
2006年07月25日 20:50
ひいサン
思わず硬直してしまいましたか・・・
驚かせてすみません。でも、コレ本当の話なんです。
その他にも、ゾーッとするような、笑っちゃうような経験を夜勤では体験します。

夜勤体勢として入所者50人に対してスタッフ2人で対応しているって驚きました?
さらに深夜帯11時~5時の間は交代で仮眠を取るので事実上1人で勤務することがあります。本来なら夜勤帯を3人体勢として、深夜帯でも常に2人で対応できることが望ましいのですが、コスト上の関係で実現できないのが現状なんです。
2006年07月26日 00:43
気ままさん、こんばんは。
50人に2人は、きついでしょうね でも仮眠時間が取れると言うのは羨ましいです。

私の職場は「一般病棟」(どういう意味にとればいいのか?)患者さん54人に看護師2人・介護職員2人ですが、常に1~4人の重症がおられますので看護師さんはそちらにかかりきり状態。
私たち介護職員は、認知症・徘徊・ナースコールに対処。
一晩にオムツ交換3回、体位交換2時間置き。
一応2時半~4時半の2時間は仮眠時間とはなっていますが、みなさんに仮眠を取っていただけるように私ひとり仮眠せずに頑張って起きています。
 一番ナースコールの少ない時間帯ですから。

急変する方が一番多い病棟です。
毎日5~8人くらいの患者さんの顔ぶれが変わります。
 でも、楽しい職場です。
2006年08月08日 11:36
先日の夜、丑三つ時
ナースコール
行ってみると、一人の婆さま。
「今、何時?」
  「丑三つ時」
「私の所だけ誰かが、夜と昼 入れ替えしよった」
  「何のこと?」
「だって、私の所だけ 夜」
  「はあ?」

  「そんな事言ってると、幽霊出るよ」
幽霊の百や二百、出ても可笑しくない場所ですから
2006年08月14日 01:03
先日の夜勤の日、重症3名、夕食時に立て続けに4名新入院。

短時間に4名は、覚えられません。
名前、症状、認知度、徘徊の有無、難聴はあるか? など。

2名の看護師さんのうちの一人は、重症の3名にかかり切り。

ナースコールの特に多い患者さん5名、みんな振り回されて仮眠時間なし。

食事の全介助の患者さん10名。
うち2人は嚥下が極端に遅い、嚥下しないのであれば食事介助を止めればいいのだが、ゆっくり確実に嚥下しているのを止めるわけにはいかない。
30分以上かけたくはないのだが。

下膳が進まない。
日勤者への申し送りが始まりそうで気が気でないこと毎回。

2006年08月15日 11:04
ひこうちゅうねんサン
自分も看護助手として急性期病棟で働いていたことがあります。
その病院は、俗にいう老人病院で患者さんの殆どは痴呆がありADLもほぼ全介助で、看護師2名、助手1名の夜勤はとても大変でした。(とくに食事介助)

それと、お盆や正月は何故か急変される患者さんが多くて夜勤に当たらないことを願うばかりでした。
2006年09月16日 00:55
気ままさん、こんばんは
 最近、職場環境が急変「改悪」しました。
介護職員が2人辞めたのに補充なし。夜勤が増えて収入も増えるが、日勤が皆目ない、有給休暇が取れない、急に休むと交代してくれる人がいない。
 看護師さん4人辞めたのに補充なし。
看護師さんも勤務が苦しくなって辞める人が続出たらどうなるのか?
 介護職員が一人夜勤をしたくないので今まででも有給休暇を犠牲にしてきた経緯があるのだが、これ以上続いたら みんな堪忍袋の緒が切れるのでは。
 みんなでストライキするわけにも行かないし・・・・・・・・・
2006年09月16日 07:15
ひこうちゅうねんサン
実は自分も似たような経験をしたことが以前勤めていた病院であります。
その病院では介護職員として勤めていましたが、介護職・看護職含めて5人のスタッフが辞めてしまいました。
当然、補充があるのかと思いきゃ・・・新年度までは無く他の病棟から応援を受けてどうにか業務をこなす毎日でした。
勿論、夜勤は応援を受けるわけにはいかず貴重な有休を犠牲にして夜勤に入っていました。
本当にあのときは、病棟全員で「スト突入だぁ!!」って言っていましたが・・・
患者さんが居るので、出来るわけもなく誰もが必死でした。

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