強し明治生まれの婆ちゃん・・・・

 現在日本の平均寿命は、男性約78歳、女性約85歳・・・
 
 今や日本は世界一の長寿国ですね。


 自分の施設(老人保健施設)に入所している方の平均年齢も80~85歳。

 中でも、最高齢は明治38年生まれのTさん、女性101歳。
なんと!明治→大正→昭和→平成の4世代をたくましく生きてこられました。

 Tさんが自分の施設に入所されたのは3年前、お嫁さんの入院を機に在宅での介護が困難となったためでした。
介護度は4で、脳梗塞後遺症でほぼ寝たきりの生活で認知症も軽度ありましたが、とても元気で食事もほぼ完食されていました。


 しかし、今年の夏の終わり頃、そう101歳の誕生日を迎えた次の日です。

 早朝から急に意識レベルが低下、血圧も最高が80台を切りそうで、とても危険な状態へと陥りました。

 Tさんは積極的な延命は希望されていませんでしたが、「とりあえず意識がどうにかあるので、この間に家族に会わせたい」と施設長の考えで家族の同意を得て水分補給のための点滴だけをする事になりました・・・・。
(本来なら、このような状態になると併設病院へ入院となるのですが併設病院が満床だったのでこの場合は特例で施設最期を迎えることが出来るようになったそうです)

 Tさんの家族は遠方に引っ越したばかり、駆けつけるまで半日以上かかります。

 意識レベル、血圧低下、101歳という超高齢・・・・ 間に合うかなぁ・・・・  
                                 という思いがこみ上げてきました。

 
 ところが・・・・・・

 点滴を開始して3時間が経とうとした頃でしょうか・・・・・・

 Tさんの部屋から「トントン」と音が聞こえてきました。

 「何???」と思いながらTさんの部屋を訪室してみると・・・・・・

 な、な、なんと・・・・

 意識朦朧としていたTさんがパッチリと目を開け、自分の姿をみるとニッコリと頷くように会釈をされるではありませんか!!!

 信じられない回復に驚きというか、喜びを覚えながら詰め所へ戻り医師である施設長を呼びに行く自分・・・・・


 夕方になり家族が集まる頃には、Tさんの血圧も120代(最高血圧)まで回復、意識も平常に戻っていました。

 なんと、Tさん水分補給のための点滴1本で見事復活されたのです!
そして、「急変」の連絡に家族が駆けつけた頃には家族の問いかけに「うん」と返事をしたり手を握り返すことが出来るようにまで回復されました。

 施設長から、家族へ急変してからの様子や処置の内容が説明され、家族との話し合いで血液検査を行うことになりました。

 検査の結果、Tさんが急変した原因は「脱水」でした。

 Tさんは1週間点滴を続けることになり、その後も順調に回復され、Tさんが好きな金木犀の花が開こうとしている現在では風邪もひかず元気に施設での生活を過ごされています。


 「脱水」だたとはいえ、点滴1本足らずで見事復活されるなんて「凄い!!」って思いませんか!?

 強し明治生まれの100歳婆ちゃん・・・ って思いました。

 もし、これが現代の若者がTさんだったらと思うと・・・・ 無理だよなぁ・・・と思います。
 (っていうか・・・今時の若者これほど長生きしないだろうし)

 現代ほど便利なモノ、贅沢な食べ物がなく戦争を経験し逞しい人生を送ってこられたからこそ奇跡と言えるほどの復活を遂げられたのだと思います。

 

この記事へのコメント

2006年10月09日 12:30
途中まで読んで、自分の祖父の最期を思い出して涙が出そうでした。でも、お元気になられたんですね。よかった。
2006年10月09日 15:12
高齢者に水分補給は、ことほど左様に大切なんですね~。ふーむふむ。
それにしても101歳で驚異の復活、明治女、恐るべしです。\(◎o◎)/!
急を聞いて駆けつけた家族に、「いやその・・確かに朝方は・・」とか言って、タジタジと説明する施設長の姿を漫画チックに想像しました。(不謹慎で、どうもすいません)ともあれよかったですね。(*^-^)
近頃の子どもの体力のなさには呆れます。絶対、こんなには長生きできないでしょう。いや、私たちとても同様か・・(ーー;)
ルート
2006年10月10日 08:17
こんにちは。あはっハッピーエンドな話だとは…ドキドキしながら読んじゃいましたよ!でもよく気をつけなきゃですね。夏はとにかく気にしてましたけど…秋口になってからは適当だなぁ…(-_-;)きんもくせいがどこからかふわっと香りますね。どこからなのかいつもわからないんですけど…(^_^)
2006年10月10日 14:00
気ままさん、コンニチハ~!
私も常々思っていました。
寝たきりの方や高齢者は、水分を摂りたがらないですからね!
うちの施設でも同じような事がありました。
点滴を受けると復活~!ですからね!
2006年10月10日 15:50
うれしいサン、初めまして!
Tさんが急変されたときは、「これが最期なんだ」と淋しく悲しい気持ちでしたが、わずか点滴1本での奇跡の復活を目前にしたときには人間の生命力の強さに驚き、感動を覚えました。
2006年10月10日 15:57
レイコサウルスさん
施設長の説明ですが、レイコサウルスさんのご想像通り・・・「いやその・・確かに朝方は・・」って感じの説明でした。急変を聞きつけ駆けつけてきた家族の方も復活したTさんの姿をみて、とりあえず安心したというか、驚異の生命力に驚いていたというか・・・
どっか肩すかしだったという様子も見受けられました。
2006年10月10日 16:12
ルートさん
一般的には、猛暑が続く「夏」はお年寄りにとって気をつけてないと命取りになります。
でも、意外に施設に入所されている方にとって季節の変わり目である「秋」は夏以上に気をつけないと行けません。なぜなら、夏はエアコンで空調(28℃)は整っているし気温の変動も少ないから。しかし、この季節は気温の変動も大きくなり、空気が乾燥し風邪をひきやすくなるからです。
この季節は、衣類や寝具などで体温調節に気を配りますが、抵抗力が衰えた高齢者にとって季節の変わり目は体調を崩しやすいようです。
2006年10月10日 16:27
月桂樹さん
「高齢者は脱水に陥りやすいから水分補給を!!」
これ、プロとして基本中の基本。施設で働くときにまずたたき込まれることの1つですね。
自分の施設でも、疾患などで水分制限がない場合、1日あたり1.0~1.5を目安に水分補給するよう施設で取り組んでいます。
でも、月桂樹さんの仰るとおり寝たきりの方だと水分摂取を嫌がったり、嚥下障害があるため思うように水分を取れない方がいらっしゃるのが実情です。(好みに合わせて幼児用果汁やとろみをつけたりしているのですが・・・)
Tさんの場合、嚥下も悪くなく1日の水分摂取量もそこそこ摂れていたので検査の結果が脱水だったのは意外でした。
でも、Tさんの復活劇には本当に驚きというより驚愕ものでした。
2006年10月10日 23:37
Tさん、101歳とは長生きなさってますねぇ。
しかし、脱水症状でそのような状態になってしまうのですねぇ。
看護士さんはいろいろ気をつけなくてはダメなのですねぇ。
感心してしまいます。
命を預かる大変なお仕事、頑張ってくださいませ。
2006年10月11日 20:02
どーるますたーサン
Tさんをはじめ明治や大正生まれの方は現代の若者より身体が強いのでは・・・と思うほどです。

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