飲むヒアルロン酸の大嘘

 最近テレビCMでよく見かける”飲むヒアルロン酸”、サプリメントや健康食品に加工され様々な商品が市販されています。
またこれらの商品はテレビCMも盛んに放送されていて、年齢と共に減っていくヒアルロン酸をサプリメントにより補うことでいかにも若々しい体でいられると言うことを謳い文句にしています・・・

 実際にヒアルロン酸は関節、目、脳、肌などに多く含まれ、細胞の保湿、緩衝、組織形状の維持など大切な働きをしています。また、関節の潤滑にも欠かせないものです。
 CMではこのサプリメントを摂取することで、不足したヒアルロン酸を補充し膝関節などの「関節痛が和らいだ」とか、「関節がスムーズに動くようになった」、「肌につやが出てきた」、「脳が若返った」・・・とか大々的に広告していますが・・・


 実際はどうなのでしょうか?


 単刀直入にズバリ・・・ 

 大した効果はありません!

 実際に、自分が勤めている施設の併設病院には整形外科もあり関節が専門のDrが何人もいますが、その専門Dr達が口を揃えて言うのは「ヒアルロン酸のサプリメントはまやかしだ!」です。


 では、何故サプリメントが大した効果がないのか・・・?

ヒアルロン酸のサプリメントがとても有効だと謳っている”膝の使いすぎによる膝関節痛”(=変形性膝関節症)を例にとって考えてみたいと思います。




 CMにもあるとおりヒアルロン酸は膝の痛み(変形性膝関節症)の治療に有効で医療の現場でもよく使われています。
でも、医療の現場で行われている治療は、サプリメントのような内服薬による経口摂取ではなく、医師だけが行うことが出来る特別な注射法(関節内注射)で直接関節、正確には関節を覆っている膜の中(関節包内)へ ヒアルロン酸を注入します。

 ここで、よ~く考えてください・・・
これだけ医学が発達していて、巷では飲むヒアルロン酸のサプリメントが市販されているのに・・・
何故医療の現場では、わざわざ高度な手技を伴う注射で直接間接にヒアルロン酸を注射しているのでしょうか?

 答えは簡単です・・・

 ヒアルロン酸を経口摂取しても全くヒアルロン酸がターゲット(この場合は関節内包)へと届かないから…です。
つまり、内服薬(サプリメントも同様)にしても効果がないからです。
 もし、経口摂取が有効なら、苦痛やリスクを伴う関節内注射は行われず内服薬が主流になっているはずです。

 では何故、ヒアルロン酸を経口摂取しても効果がないのでしょうか?
ヒアルロン酸を経口摂取した場合の詳しい吸収過程についてはまだ解明が進んでいない所もありますが、・・・
はっきり解明されているのは、口から摂取されたヒアルロン酸は体内に吸収されるまでに消化酵素で糖分の一種へ分解され元とは違う物質へと変わっていき体内へ入っていく時には全く別の物質になっていきます。
 つまり、ヒアルロン酸はヒアルロン酸のまま体内で使われるのではなく、糖の一種に分解され意図した目的とは全く違うエネルギー源となってしまうのです。
それ故、関節同様にヒアルロン酸のサプリメントがいいと言われている目や肌、脳に関しても全く別の物質に変わっているのですから無効だと言えます。

 因みに、極一部のサプリメントの説明書などではヒアルロン酸はタンパク質の一種のように説明されているものもたまに見かけますが、ヒアルロン酸は多糖類の一種でタンパク質とは全く違います。
 


 でも、ヒアルロン酸のサプリメントを飲んで関節痛が良くなった・・・
と言われる方もいらっしゃるようですが・・・


 それは・・・ おそらくプラセボ効果が現れているからだと思います。
プラセボ効果は偽薬効果とも呼ばれ、読んで字のごとく”偽の薬”効果です。
つまり、「この症状に効く!」と信じ込みながらサプリメントを飲むことで暗示にかかり症状が軽減するのです。
はっきり言うとおまじないと同じようなものです。

 しかし、このプラセボ効果が有効なのも何となく自覚症状を感じる初期の内だけ、病状が徐々に進行するとその効果がなくなり専門医の門をたたくことになります。
実際に、整形外科を受診された患者さんには「こ×△ゅ○、飲んで最初は良かったのに、にだんだんと痛みが酷くなってきて・・」、「と訴える患者さんも多いそうです。



 やはり、関節痛など病的な症状を感じた時には自己判断してサプリメント類に頼らず医療機関に受診されることをお勧めします。

 今回は、関節痛を例に挙げヒアルロン酸のサプリメントについて考えてみましたが、関節痛だけにとどまらず・・・
目、肌、脳についてもヒアルロン酸を飲んだからと言って症状が改善されることはほぼ無いと考えられます。

 また、皮膚の保湿などに効果があると謳っているヒアルロン酸入りの化粧水や保湿クリームなどですが・・・
この商品の中にはいかにも皮膚表面から有効成分が内側の組織に吸収されるような説明書きがされているものもありますが・・・それも大嘘!!
皮膚の生理学上、皮膚表面から水性であるヒアルロン酸が吸収されることは絶対にありません。
ただ、ヒアルロン酸自体は、とても粘り気があり保湿効果が高い物質なので皮膚表面の保湿には効果があると言えると思います。



 健康、アンチエイジングブームにある日本・・・
いかにも効果があるような理屈を並べ立てて広告しているサプリメントや健康食品が、ヒアルロン酸以外にも多くありますが、本当にその効果があるのか疑問になるものがよくあります。

 メーカは、ビジネス(金儲け)でやっているので、CMなどの広告をみていると・・・
いかにも!と思われるような理屈や御託を並べ消費者を不安にさせ、今すぐにでもサプリメントを飲まないといけないような気にさせますが・・・
大半の企業がお金儲けのため消費者の不安をあおり商品を買わせているだけなのです。
しかも、悲しいかなぁ・・・そのほとんどは効果があまりないようです・・・。



 やはり、健康を維持するためにはあまりサプリメントには頼らずバランスの良い食事、適切な運動、など極々基本的な規則正しい生活が一番なのかもしれませんね。
 ただし中には、どうしても不足しがちな栄養素(ビタミンなど)もあり、サプリメントで摂取した方がいいものもありますので信頼できるかかりつけの医療機関や薬局の薬剤師に相談するといいと思います。

 そして、体に変調を覚えた時はすぐにサプリメントに頼るのではなく一度は医療機関に受診することをお勧めします。

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