宿便のウソ!

 9月も半ばになりやっと・・・ どうにか秋らしい気候になってきましたね。

 お金も暇もなく、今月は乗り鉄ネタの記事も書けそうにないので、今回は「宿便」について書いてみようと思います。


 巷の雑誌やTV-CM、新聞など健康食品やサプリメントの広告でよく見る「宿便(滞留便)」・・・・
このような広告では、古くなった水道管にびっしりと汚れが付くように、腸の内壁に便がこびり付きこれが原因で癌になったり新陳代謝が落ちて肥満になったりお肌の状態が悪くなる等々・・・

 かくも恐ろしくなるような説明書きがされていて、これを見た日にゃすぐにでも、広告されている商品で(腸内洗浄や健康食品・サプリメントなど)で宿便を出さないと大変なことになってしまいそうですけど・・・・



 安心してください・・・ これらの広告でいう『宿便』真っ赤な大嘘!
一般的な人の腸壁に便がこびり付く事はまずありません!
これらの広告・・・ ズバリ! まやかしです!!


 まず、『宿便』という言葉ですが・・・
東洋医学事典で調べてみると、広告で書かれている腸壁にこびり付いている便ではなく、便秘しているときの便そのものを指しますし、西洋医学でも「宿便」という定義は無いようです。
(以下、広告で表現されている”宿便”を”滞留便”とします)


 
 そもそも腸は、腸内を通過する消化物から栄養を効率的に吸収する専門的な臓器です。
腸内には善玉・悪玉を含め菌が100兆以上存在し人体はこれらの菌と共生関係にありますが、例え善玉菌であっても腸はこれらの菌と壮絶な栄養の争奪合戦をしなくてはなりません。

 そのため腸は栄養の吸収を最も効率よく素早く行うため腸に沢山のヒダを作り消化物と接する面積を大きくしたり、栄養を吸収する細胞は常に新しいモノになるよう入れ替えています。
 さらに、消化物を効果的に移動させるため腸は絶えず蠕動運動をしていますし、腸壁からは潤滑剤の役割を果たす腸液が分泌されています。また、これらの働きは腸に便がこびり付く(=滞留便)のを防ぐ役割も果たしています。

 さらに、さらに・・・ これだけ医学の発達した現代、腸内を診断するための画像診断装置(X線、内視鏡)が色々あるわけですから、もし滞留便があれば健康食品の広告以前に医学の専門家で話題になるはずです。
現に、内視鏡で腸内を覗いてみても滞留便を認めることはまず無いそうです。


 
 そして何より広告で眉唾だと思ったのが・・・
滞留便があることで、新陳代謝が低下し肥満の原因となる・・・ という謳い文句!

腸の働きから考えると・・・ 実に矛盾していると思いませんか???

 腸は栄養を吸収する臓器、人の臓器でそれ以外には栄養を吸収できる器官はありません。
もし、滞留便が腸内にあると仮定して、自分的に考えてみると・・・
滞留便が腸壁にたまる --> 腸壁からの栄養吸収ができなくなる ===> 全身に栄養供給が障害され痩せの原因となる  
                     ・・・・ と、広告とは真反対になります。


 また、滞留便は癌の原因にもなると言われているようですが・・・
これもちょっとした誤解??があるようで、滞留便が原因で癌になったのではなく、腸の細胞が癌化し腸の働きをを果たさなくなりそこに便がこびり付き滞留便となったというのが医学的にも正しい見解なのではと思います。


 以上、健康食品やサプリメントで大々的に宣伝されている「宿便」について否定的な記事を書きましたが・・・
本来は排泄されるべき腸内の内容物が排泄されず、大腸内に停滞している宿便(便秘)は医学的にも問題、これこそ人の身体に色んな悪さをします。

 でも、便秘はこれらの健康食品やサプリメントを摂取しなくても日頃の食習慣や生活をほんのちょっと工夫するだけで改善することが出来ます。


 最後に、便秘を改善できる方法を少しだけ紹介します・・・

 まず、基本的なことから・・・

 食物繊維が豊富な野菜類を多く摂取する
  ・腸の内容物を繊維分で嵩増し、腸に刺激を与え蠕動運動を促進します
  ・野菜を煮物や温野菜にすることで効果的に摂取することが出来ます

 水分を多く摂取する
  ・腸内容物に水分を与えることで嵩増しし滑りをよくします
  ・起床後、冷たい水や牛乳を飲むことは胃腸を目覚めさせ
   腸の運動を活発化させます
   (朝食を摂る暇が無くても取り敢えず冷水を飲むだけでもOK) 

 運動不足を解消する
  スポーツをするという意味ではなく、便秘には歩くことがとても有効です
  歩くことで、体幹に振り子運動が加わり腸の蠕動運動を助ける効果がありとても有効です

 朝食後は必ずトイレ(大)に行く習慣を付ける
  これが最も大事かも知れません・・・
  食後(特に朝食後)は胃腸が活発に動き大を排泄しやすくなります
  催しが無くてもトイレに座る習慣を付けると自ずと出るようになります
  また、朝食後トイレに行く暇が無ければ他の食後にいくのもいいと思います

 トイレタイムはリラックスして諦めも肝心
  出ないからと言って、無理に力み続けるのは肛門や大腸に過大負荷をかけることになり、痔や脱肛など余計な疾患を併発するだけです。
  力む時は、深呼吸をしゆっくり息を吐くのと同時に穏やかにお腹に力を入れましょう・・・
  数分頑張っても出ない時は潔く諦めましょう

 何時でも自然の催しがあるときが最大のチャンス! 
 大を催したらできるだけその時にトイレへ行きましょう
 (現代人の便秘の大きな原因の一つがこれだったります)


 そして、手軽に出来る民間療法を二つほど・・・
 (胃腸に疾患のある方は医師に相談してください)

 ・下腹部を「の」字にマッサージする
  ・人肌程度に暖めた手でお臍を中心に外側に広げるようにマッサージするのがコツ
  ・マッサージの刺激により腸の蠕動運動を促進するそうです

 お臍の周りのツボを刺激する
  便秘に有効なツボは全身に存在しているようですが、そのツボのひとつです
  ・お臍を中心に横方向(左右)、3横指目に当たるところ・・・
   下方向に4横指目に当たるところを押すように順々に刺激します
  因みに、この方法は看護学生時代、消化器内科の講師に教えてもらったものでちょっと試しに自分でやってみたところ効果覿面でした



 あら???

 なんか・・・  宿便のウソがお題だったのに!?が・・・・

 いつの間にか便秘の記事になってしまいました・・・。


 ま、結論としては・・・・

 健康食品やサプリメントの広告で言われている 

 腸壁にこびり付いた 宿便(滞留便)は存在しない!! 

 ただし、排泄されるはずの便が停滞する便秘は身体に悪い!
 (今回の記事では便秘の弊害についてはほとんど触れてませんが・・・) 

 と、言うことで閉めたいと思います。



 

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